映画「セブン」あらすじとネタバレ感想・考察 無関心の恐怖と人から人への裁き

映画セブン 
出典:https://bloblorarea.fr/seven-1996/ © New Line Productions, Inc.

今回は映画「セブン」のあらすじとネタバレ感想をまとめていきたいと思います。

1995年の映画だけれど、2019年となった現在でも高い評価と人気を獲得している「セブン」。

若かりし頃のブラッド・ピットの情熱的な演技と、モーガン・フリーマンの成熟した落ち着きのある演技が対照的です。

カトリックの七つの大罪をモチーフにした犯罪が起こり、二人の刑事が犯人の思惑に翻弄されていくホラーサスペンス。

最後のシーンに胸糞の悪さを感じた人も少なくないのではないでしょうか。

今でも通じるような社会風刺がかなり強く効いていてパンチ力抜群の作品です。

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映画「セブン」の基本情報

監督

デヴィット・フィンチャー-min

出典:https://ciatr.jp/topics/1163

映画「セブン」の監督を務めたのは、「ゴーン・ガール」や「ファイト・クラブ」、「ドラゴン・タトゥーの女」などの名作を生み出したデヴィッド・フィンチャー。

社会的なシステムや既存の価値を思わず疑ってしまうような、現代の穴をえげつないくらい突っつく作風で人気を博している名監督です。

主なキャスト陣(登場人物)

映画セブン ミルズ

出典:https://middle-edge.jp/articles/6t5y3?page=2

デビッド・ミルズ刑事役 ブラッド・ピット
新たに町へ赴任してきた若い刑事。血気盛んでときに感情的。サマセット刑事と共に七つの大罪になぞらえた事件を追う。

映画セブン サマセット

出典:https://eigaannai.web.fc2.com/seven.html

ウィリアム・サマセット刑事役 モーガン・フリーマン
定年退職をあと一週間に控えたベテラン刑事。冷静沈着で、町の退廃に嫌気や諦めのような感情を抱いている。ミルズ刑事と共に七つの大罪なぞらえた事件を追う。

映画セブン ミルズの妻

出典:https://ameblo.jp/beatifulmonster2/entry-11530752683.html

トレイシー・ミルズ役 グウィネス・パルトロー
ミルズ刑事の妻。

映画セブン ジョンドゥ

出典:https://zilgz.blogspot.com/2012/10/95.html

ジョン・ドゥ役 ケヴィン・スペイシー
七つの大罪になぞらえた殺人事件を犯す犯人。

あらすじ

舞台はとある大都会。お互いに他人には無関心で、個人的な欲求の虜となった町。退職まであと一週間を切ったサマセット刑事は、長く働き、そして見てきたその街に諦めや恐怖にも似た感情を抱いていた。

サマセットのもとに一人の血気盛んな若き刑事ミルズが赴任してくる。2人はある殺人事件の現場に急行した。汚物に塗れた巨漢が長時間食べ物を押し込められ、腹部破損により死亡した凄惨な現場だった。

現場の冷蔵庫の裏には、被害者の油で書かれたと思わしき「GLUTTONY(暴食)」という文字。

それからは連日のように、「強欲(GREED)」、「怠惰(SLOTH)」といったカトリックの七つの大罪をモチーフにした殺人事件が発生。ミルズとサマセットはお互いの腹に抱えた思想を胸に、この連続殺人事件の犯人を追うことに。

凄惨な殺人の裏に隠れた犯人の意図とは?

思わず目を背けたくなるような最後に彩られた濃厚ホラーサスペンス。

映画「セブン」のネタバレ感想・考察

対照的なサマセットとミルズ

映画セブン29

出典:https://www.centerblog.net/photo/30044-863655-brad-pitt-

映画の中で印象的だったのは、サマセット刑事とミルズ刑事の対照的な言動と考え方でした。

感情的に流れては苛々を撒き散らすミルズ刑事。時にはその情熱を原動力に危ない橋を渡るような行動をしたりと、終始心の赴くままという感じなので観ている側がちょっぴりどぎまぎします。

そしてそれとは対照的にはサマセット刑事。何事も冷静に汲み取って、忍耐強く証拠品厚めや犯人の心理考察を行います。

2人が酒を酌み交わしながら互いの価値観を擦り合わせるシーンなんかはめちゃくちゃ印象に残りました。

サマセットは街の不条理や無関心さに辟易していて、他人に対して諦めにも似た感情を抱いています。

その感情の根源にあるのは都会ならではの無関心さや、誰もが他人のことを顧みずに個人的な主張や感情だけを垂れ流す現代社会や、殺人事件が起きてもワイドショーでは2週間程度ネタにされて、後は忘れ去られてしまう社会についてです。

そんな環境ではもしトラブルが起きても皆が自分の意見だけを正当化する。主張と主張が重なり合い、山になって積もるだけで一向に折り合いがつかず堂々巡りになってしまう。

だからこそ、他人との諍いには無関心で対応するのが最も安全だし、適切だと主張するサマセット。それが一番楽だと言い、お酒をちびっと飲む。諸々を経験した年の重みを感じさせます。

そこにミルズが言葉を返します。

「俺はもう無関心が美徳であるような世の中はうんざりだ。あんたは他人や社会が無関心で冷酷だと思い込みたいし、信じ込みたいだけなのさ。そっちのほうが楽だからね。俺はそんなのはごめんだ」

今まで感情に流されるばかりで、どこか幼い印象を覚えたミルズ刑事ですが、このシーンではサマセット刑事のほうも何かを考え込むような調子で押し黙ってしまいます。

どちらが正しい意見を言っているのかも正確には追及されないものの、自分の主観で捉えた世界や印象ばかりが先立って、盲目的にそれを鵜呑みにしてしまうのだと痛感させられたシーンでした。

サマセットからしたら、「いや、きついって、むずかしいよ、順応しないと生きられないって」って感じだと思うのですが、でも痛いところ突かれて悩んじゃうなーという、上手く二律背反をくすぐられた面持ち(‘ω’)

人間が人間を裁くということ

映画セブン 

出典:https://bloblorarea.fr/seven-1996/

作中の主軸には、七つの大罪を犯した人間を「罪人」として、犯人が一人一人裁いていくという構図があります。

  • 高慢(pride)
  • 強欲(greed)
  • 嫉妬(envy)
  • 憤怒(wrath)
  • 肉欲(lust)
  • 大食(gluttony)
  • 怠惰(sloth)

原典のダンテの新曲では、正確には七つの大罪ではなく、これら七つの欲求が大罪を招く予兆であるという感じの描写が成されています。

どれもこれも人間が日頃から些細な刺激からでも生じ得る欲求ばかりだし、ぶっちゃけそんなストイックに気にして過ごしたことなかった(‘ω’)

とにかく作中では、人間が人間を裁くという行動に正当性があるのか、もし肯定され得るならば、そもそも殺された人々は本当に罪を犯しているのか、裁く側の行動に根拠や証明は存在するのか。そういった問題が今作では各々の登場人物のセリフによって追及されていました。

連続殺人犯ジョン・ドゥ。彼のことをミルズはただのイカレタ狂人で、一般人の範疇からは遠く離れた異人だというように認識していたし、サマセットは並外れた知識人で、自身の哲学に基づいた説教として殺人を行っているのだと考えています。

人を裁くという立ち位置からしたら、ジョン・ドゥは大衆よりも頭上から自らを神様のように見立てて、上から目線に、全能感に従っているようにも見えるけれど、最終局面ではしっかりと自分の存在を罪人の中に含めて、自分のことも裁くようにとミルズを仕向けていきました。

ジョン・ドゥにとっては、ミルズのように健全に育ち、善き家庭や妻を持つ人間は大きな嫉妬の対象だったようす。そのため妊娠中のミルズの妻を殺して首を切り、「だから自分も罪人だ。殺せ」と言い募ります。

「もし捕まえたジョン・ドゥが本物の悪魔だったらお前も納得するだろう。だが悪魔じゃない、奴も人間だ」

作中にあったサマセットのこの言葉が、ミルズが自身の妻を殺害された情念に駆られてジョン・ドゥの頭を打ち抜くか、それとも耐えるかという最終局面で脳裏に反芻されました。

人間が人間を裁くという場面は作中だと殺人ほどの過剰行動に向かったけれど、もっと小さな行動であれば、同じような理屈で日常生活でも腐るほど裁きなんてあるよなーと(>_<)

大罪の中の欲求に従う反面、その大罪を貪ることにある価値の側面を認めるのは無意識的な判断で、誰しもが半ば当然の認識として隠し持っているはずなのに、ジョン・ドゥという殺人犯を一概に異物として分別するのは、それこそ高慢さが生んだ考え方だし、殺人犯の心理を異物として理解しようとしないのは、寧ろ自分の罪の意識から目を背けようという怠惰なんじゃないかと感じました。

明らかに許せないけれど、一概に間違っているとも言えないという二面性を持った感覚を刺激されている気分になりました

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